建設現場での熱中症について
今回は夏の建設現場での最大の注意事項 「熱中症」を取り上げます。
毎年熱中症によるニュースが報道されますが、基本的に認識不足からの事故例が多いです。
管理人は現役現場作業員ですので、「普段どういった事に注意すべきか?」それから、建設現場での「熱中症対策」への取り組みを紹介します。
規則が厳しくなってきた建設現場ですが、まだまだ認識の甘い現場も多いです。
熱中症は処置が遅れると、「死」につながる病気です。しかし、基本的なことをキチンと注意すれば未然に防げます。
しっかりと熱中症を予防し、暑い夏を健康に過ごしましょう!
専門的な表現はあえて避けて、わかりやすく書きますね! (*´∀`)
※ 記事を追記しました。
最後のまとめ記事に最新の熱中症対策を書きました。
建設現場での熱中症対策 普段から注意する3つのポイント
注意するべき事は、非常にシンプルです。
まずは普段の生活習慣を見直しましょう!
十分な睡眠をとる
どの季節でも基本的なことですが、夏場は特に重要なことです。
ただでさえ重労働な建設現場。
現場の環境にもよりますが、寝不足なんて事はもってのほかです!!!
高所作業の場合はそのまま命に直結しますからね。
寝不足⇒過労につながり、良くないのは判りますね?
夏場は特に体力を奪われますから、十分な休息が必要と言う事です。
アルコールの取り過ぎに注意!
夏場はついつい過剰にアルコールを取り過ぎます。
気持ちは判りますが本当に危険です。
簡単に書きますが、アルコールなどは利尿作用があり水分を奪われます。
水分が奪われると言う事は、血液がドロドロになると思って下さい。
イメージしただけで怖いですね。
そんなドロドロの血液のままで大量の汗をかいたら、血管の中がどうなるか想像できますよね?
例えば、普段から高血圧の人の場合、スグに血圧が跳ね上がりますので下手すると・・・
- 脳梗塞
- 心不全
このような危険があります!100%危険ですよ!!
と言うのも、管理人は以前、建設現場での「熱中症による死亡事故」を目の当たりにしました。
あれは、7月の後半で朝から暑い日の事でした。
いつも通りに作業前の「ラジオ体操」を行っていると、1人の作業員の方が途中で退出されました。
「気分が悪い・・・」
そう言って、そのまま病院へ直行されたのですが・・・そのまま亡くなられました。
次の日、現場監督から説明がありましたが死因は「熱中症」でした。
しかも、「熱中症」の原因は前日のアルコールの取り過ぎだと・・・。
出勤前から頭が痛かったそうです。
作業中に大量の汗をかく
⇓
水分が欲しくなる
⇓
我慢して仕事終わりにビールを大量に飲む
⇓
そのまま眠る
夏場は暑いですから、アルコールの摂取で眠りやすいとは思います。
しかし、ここに落とし穴が潜んでいるんですね。
暑い日は睡眠時でも大量の汗をかきます。
体の水分が汗とアルコールにより奪われ血液がドロドロ状態になります。
結果、「熱中症」となります。
美味しい気持ちは理解出来ますが、注意が必要ですよ!
こまめに水分を取る
基本中の基本です。
のどが渇く前に飲むのが理想です。
ここで注意点ですが、ただ水を取れば良い訳ではありません。
水分+塩分を取りましょう!
ご存知の方も多いでしょうが、夏場は大量の汗をかき塩分を奪われますね。
塩分が奪われると熱中症の症状の中でも、「熱けいれん」にかかるケースが多いです。
しかし、大量の塩分は体に悪いので、スポーツドリンクなどで
水分+塩分を補給しましょう。
寝る前の水分補給も忘れずに!
お年寄りなどに多いですが、眠っている間に熱中症になるケースもあります。
年齢と共に、感覚が鈍くなり、脱水症状に気付きにくくなるのです。
人間は普段から大量の汗をかいているのです。
夏場は特に意識して水分補給をおこないましょう。
建設現場における熱中症対策
最近の建設現場ではルール(規則)が厳しくなり、特に「熱中症」に関しては大変厳しいです。
大手ゼネコン(スーパーゼネコン)各社の対策としては現場に設けられている休憩所に氷を常備しています。
さらにスポーツドリンク、塩、塩飴などが大量に用意されています。
休憩所にはクーラーも用意されていまして、積極的な休憩を推奨されています。
また、あるゼネコンでは休憩を推奨するあまり、休憩を行ったか調べる為に電話で確認を取るゼネコンもありました!
いちいち邪魔くさいと思いますが、現場も必死なのですね。熱中症だけは突然かかる病気ですから・・・ 。
また、ヘルメットの後ろに「日よけ」を付ける現場もあります。
首の後ろを直射日光からガードする為なんですが、全作業員に無料配布してました。※今でもそのゼネコンの現場では必要になっています。
しかし、大手ゼネコンとは反対に、中小ゼネコンではまだまだ認識が甘いところが多いです。
長引く不景気によるコストカットや納期短縮などで、現場にも安全に対する余裕が無い場合が凄く多いのが現状です。
もちろん、多少の取り組みはされているのでしょうが、大手に比べると甘いですね。
そんな現場では、自分の身は自分で守るのみです。
建設作業員の熱中症対策まとめ
- アルコールの過剰摂取に注意する
- 睡眠を十分に取り、体を休める
- こまめな水分補給を心掛ける
- 塩分補給を忘れない
- 休憩をこまめに取る
追記 8月7日
暑い日が続くなかですが、新しい取り組みをされてる
現場の事例を記載してきます。
こまめな休憩を薦めるのは最早常識ですが、最近は朝礼時に「フェイスチェック」を行う現場も出てきました!
熱中症対策!フェイスチェックとは?
朝礼後に行う個別のミーティング時に、職長が作業員にアンケートを行います。
アンケート内容としては、
1) 朝食を食べたか?
2) 前夜に飲酒したか?
3) 睡眠時間は?
4) 現在の状況は?(ダルさ・汗のかき方)
簡単な事ですが毎朝チェックします。

異常や問題がなければ作業出来るというルールです。
この「フェイスチェック」ですが、適当に行えばそれまでです。そこで、某大手ゼネコン様ではこのチェックシートを毎日回収して、「適当な記入をしていないか?」毎日チェックしています!
また、強制的に水分を取らせるケースもあります。
作業前の「強制飲水」というものです。
強制引水とは?
現場に用意されている、「ウォータークーラー」で必ず水分を取り、それを確認してからの作業となります。
「いちいち面倒だなぁ~」と感じていましたが、習慣とは凄いもので、慣れれば当たり前になり毎日作業前には必ず水分を取っています。
ただ、そこまで注意してても気分が悪くなり、僅かなケイレンをおこす人もいます。
※こういう場合はスグに事務所に行き、仮眠室で休憩します。

大手ゼネコン様ではこういうケースに備えて
仮眠室や氷を常備して対応にあたっていますよ。
2015年5/30追記
最新版の熱中症予防についてまとめ記事を掲載しました。

追記ここまで
簡単に書きましたが、こんな基本的な事で防ぐしかありません!!!
熱中症は発症する前に、未然に防げるのです!!
発症してからでは手遅れになるケースも多いですからね。
未然に防ぎ、健康で楽しい夏を過ごしましょう! (´∀`●)
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